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派遣労働の法律知識

労働者派遣の意義、仕組み

労働者派遣とは、派遣元となる企業が、自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令下で、当該派遣先のために就労させることをいいます(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備などに関する法律(以下「派遣法」といいます)2条1項)。
一般的な雇用契約の場合、企業は自らの雇用する労働者に自ら指揮命令をして働かせますが、労働者派遣では、自ら(派遣元)の雇用する労働者を他社(派遣先)に派遣して、その派遣先が指揮命令して働かせます。

一般的な雇用契約

一般的な雇用契約の仕組み

他社の労働者の労務提供を受ける形態としては、労働者派遣の他に、出向や業務請負があります。
出向は、出向元との雇用関係を維持しながら出向先の指揮命令を受けつつ出向先のために労働するという点で労働者派遣と共通しますが、出向の場合、出向者と出向先との間に一定の雇用関係があるという点で異なります。
業務請負の場合、雇用関係・指揮命令関係共に労働者と請負業者間にしかないという点で労働者派遣と異なります。

出向

出向の仕組み

労働者派遣に適用される法律

労働者派遣には、他の労働関係についてと同様、労働法が適用されます。その最も代表的なものが労働基準法です。労働基準法では、労働契約や労働時間、賃金などの労働関係における基本的なルールが定められています。
さらに、労働者派遣に適用される特別な法律として、派遣法があります。派遣法では、派遣元の事業の許可基準や運営に関するルールや、派遣労働者の保護に関するルールが定められています。

派遣労働者の業務

派遣契約外労働の可否

派遣労働者が従事する業務は、派遣元と派遣先との間で締結される派遣契約において特定されることになっています(派遣法26条1項1号)。そして、業務内容は派遣元から派遣労働者に対し明示されます(同34条1項2号)。そのため、派遣先は派遣労働者に対して、派遣契約に定められた業務以外の業務をさせることはできません。
(時間外労働や休憩時間について)
労働基準法上、使用者は労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働をさせてはならないという規定があり、この法定労働時間を超えて労働者を使用する場合、労働基準法の規定により、「時間外・休日労働に関する協定」を労働者代表と締結し、所轄の労働基準監督署に届け出なければならないとされています。
労働者派遣においては、労働時間の制限を受けるのは派遣先ですが、この協定の締結と届出については派遣元が義務を負っています。そして、派遣労働者が派遣先で時間外や休日労働をした場合の割増賃金の支払義務は、派遣元が負います。そのため、派遣先は、派遣元に対して、割増賃金の計算に必要な就業時間についての連絡を義務づけられています。

派遣元の義務

派遣先の義務

労働者派遣におけるトラブル

派遣元から賃金が支払われなかった場合、派遣先に請求できるか

労働者派遣の場合、雇用関係は派遣労働者と派遣元の間にのみ存在し、派遣先との間には存在しません。労働基準法上、労働者に対して賃金の支払い義務を負うのは使用者となっていますので、労働者派遣の場合には、使用者(雇用主)である派遣元のみが賃金支払い義務を負うことになります。そのため、派遣元が経営困難などの事情により派遣労働者に対して賃金を支払わない場合にも、派遣先が代わりにその賃金を支払う義務を負うことはありません。

派遣労働者が業務遂行中に負傷した場合、だれに損害賠償請求できるか

前述のとおり、派遣先と派遣労働者との間には雇用関係は存在しません。しかし、派遣先は派遣労働者に対して指揮命令を行う関係上、派遣労働者の安全を配慮する義務を負っています。そのため、派遣先の故意又は過失(適切な安全措置を講じていなかったなど)により派遣労働者が業務遂行中に負傷したような場合には、派遣先は派遣労働者に対して損害賠償責任を負うことになります。 例えば、派遣労働者が仕事のストレスによりうつ病で自殺をしたような場合に、派遣先が業務に伴う身体的・精神的負荷を軽減する措置を講じなかったとして、安全配慮義務違反に基づき損害賠償請求を認めたという裁判例もあります。 また、安全配慮義務違反の他に、通常の労災保険の適用もあります。

派遣先でセクハラにあったら

セクハラを防止する義務は派遣先も負っています。(「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」参照)その主な内容は以下の通りです。

セクハラ被害を受けた場合の対応方法につきましては、「セクハラ被害者の対応策」をご覧下さい。

派遣の終了・更新について

派遣契約の更新

派遣法には、派遣業務によっては派遣受け入れ期間の制限というものがあり、これを超える派遣契約を結ぶことはできないことになっています(同26条1項)。しかし、この制限の範囲内であれば、その中で更新をすることは許されます。

派遣契約の解除

派遣契約はあくまで派遣元と派遣先との間の契約ですが、派遣元と派遣先との間の合意のみで自由に派遣契約を解除することができるとすると、派遣労働者の地位は非常に不安定なものとなってしまいます。
労働基準法や労働契約法などの労働法は労働者保護を基本的な理念としており、雇用主が自由に労働者を解雇することを認めていませんが(使用者による解雇が制限されていることについては「不当解雇について」、労働者を派遣契約の形で使用することによって容易に解雇制限を回避することができるとすれば、労働法が解雇制限によって労働者保護を図った意味が失われてしまいます。
このような派遣労働者保護の観点から、派遣契約を自由に解除することは許されておらず、派遣契約の解除に関する事項ついては、派遣契約及び就業規則に明示しておくことが法律によって義務づけられており、この規定に従った解除しか認められないことになっています(派遣法26条、34条)。また、派遣法では、派遣先が、派遣労働者の国籍、信条、性別、社会的身分、労働組合の正当な行為をしたことなどを理由として派遣契約を解除することを禁止しています(同27条)。そのため、もしもこのような理由に基づいて派遣契約の解除をされた場合には、派遣契約解除の効力を争うことができるほか、派遣先に対して損害賠償を請求することもできるといえます。